本当に服が好きな人の為のブログ

服についてつらつら思った事を書いていきます。服に興味がある人から同じアパレル業界で働く人までお役に立てれていれば幸いです。

MA-1 徹底解説

今日は空前のミリタリーブーム、

色んなブランドが色んな形のMA-1を制作していますね。

16AWのシーズンに関してはこのトレンドは継続しており、

SS移り変わっても落ち着くことはあっても恐らくこの流れは継続するだろうと勝手ながら予測しております。

MA-1自体がもとは軍用のフライングジャケットであることは勿論、80年後半から90年にかけて一度洋画をきっかけに流行したことがあるという事、

詰まる所昔の流行りの復権であるということはご存知の方も多いかと思います。

しかし以前の物と比べ、シルエット自体はかなり変わっており、今風のデザイン。

所謂ミリタリー風の少しマイルドなデザインに変更された品が増えております。

詳しくディテールを見てみるといろんな年代のディテールを思うがまま自由に組み合わせたデザインが多く、MA-1からは少し離れたような品まで出ているのが現在の特徴です。

私は今だからこそできるデザインの改変というのは好きです。

それがなければ時代各々の変化が起きませんからね。

しかし、昔と何が違うか知らなければ、違いに気づく事はできません。

なので今回は、MA-1の歴史を少しなぞって私なりに解説していこうかと思います。

MA-1とは

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写真は中期頃の品

MA-1とは1950年代初め頃に米国空軍のパイロットように開発された、ナイロン製のフライトジャケットの事。 初めて軍に支給されたのは49年~50年にかけてと言われています。 実際に軍用として使用されていた期間が約20年以上と非常に長く。フライトジャケットの中どころか軍服の中でもトップクラスの知名度を持っている名作中の名作アイテムです。

MA-1と名の付いた最初期のデザインはMA-1の原型のモデルともいわれているB-15というモデルを踏襲したものであり、ディテールはよく似ています。

時代の流れに合わせB-15の名残のあるディテールというのは消えていくのですが、このモデルが人気のあるモデルで有る為か、現在MA-1と名前を付けて出すアイテムにもこれらのディテールを付けている品というのは良く見かけます。

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MA-1最初期の画像

B-15の特色的なディテールであるボアの襟は変更されMA-1と呼ばれるモデルには基本的に採用されていないのですが、それ以外は大きく変わりません。 言い方を変えると、MA-1のリブの襟は前モデルとの大きな違いであると言えます。 現在のMA-1もこの部分を大きく変えるブランドはあまり多くないのではないでしょうか。 今風にノーカラーにしてみたりなどの遊びはあったとしても、前モデルを踏襲してボア襟を採用したものはほとんどないかと思います。

想像して頂くと分かり易いと思いますが、MA-1と呼ぶべきなのか怪しいラインになってくるからです。

逆に良く散見されるのは、長方形のオキジェントタブ

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所謂酸素マスクを固定するために取り付けられた同色ナイロン素材の生地なんですが、アクセントとして取り付けやすいためか、今のオシャレ用の服に姿を変えても良く採用されています。

画像の通り、この最初期の時代はMA-1の代表的なディテールの一つであるレスキューオレンジの色目をした裏地はまだ取り付けられていません。 この生地が採用されるのは、もう少し後の時代ですので、タブとこの裏地がオリジナルで交わる事はなかったと記憶しております。

またICSコードループ(俗にいう通信ケーブル)の取り付けかしょも今の洋服ではあまり見ませんが、最初期時代のMA-1でよく見られるディテールです。

肩についた4つのペンポケがついたシガレットポケットは前身のモデルから採用されていたディテールでした。

f:id:dellp:20161223100821j:plain ICSコードループ

f:id:dellp:20161223215147j:plain シガレットポケット MA-1の代表的なディテールの1つですね。 最近、ちょっとミリタリー要素を取り入れようとして、このポケットだけ肩や胸に採用している服をよく見かけるようになった気がします。

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MA-1といえばここの辺りの年代の品を思い浮かべる方も多いと思います。 裏地に明るいオレンジの蛍光色をつけ始めた時代の品です。

ちなみのこちらの写真は1970年頃の品。 冒頭に張られているMA-1の画像の次の代として生まれたもので、これまでポケットはスラッシュ型の物が採用されてましたが、ここからはフラップ型が採用されるようになります。

裏地はパイロットが危機的な事態に陥った時などに、着用者がより目立つよう施したものです。 その為オリジナルは本来リバーシブルとして着用できる仕様になっており、それに合わせ、ジッパーもリバーシブルに対応しているものに変更されました。

しかし、ここは現代のお洒落には必要ないためか、リバーシブル仕様のジッパーはあまり見かけません。

レスキューオレンジの色も各ブランドの象徴的な色への変更、同じオレンジでも素材を変えたりとブランド独自のオリジナリティを出そうと試みている所が多く見応えのある部分です。

フラップポケットも見逃せない所で利便性を求めてか意外とこっちの仕様を採用しているブランドも多く見受けられます。

B-15

f:id:dellp:20161223222301j:plain 画像はB-15b

冒頭で少し紹介したB-15フライトジャケット。 ボア襟であることが特徴で、初期型とB-15bに関してはナイロンではなくコットン製のフライトジャケットであった事は、軍服が好きな方ならご周知の方も多い事でしょう。

コットン製のフライトジャケットの初代モデルであるB-10はMA-1からあまりにデザインがかけ離れるので割愛しますが、この歴史があるゆえに、

少しマイルドなコットンギャバ生地で出来たMA-1が現代に生まれているといっても過言ではないでしょう。

現代のこういった生地のMA-1はこの時代のフライトジャケットのオマージュであると言えます。

また、 B-15の象徴的なディテールの1つである酸素マスク固定ようタブは、

三角型のレザー→長方形レザー→長方形ナイロン

という風にマイナーチェンジの度に改変がされておりました。

三角型タブは流石にB-15的なイメージが強い方が多いらしくこれらのディテールを着けて品を出すときはB-15と名付け世に出されている印象ですが、

長方形のレザータブはMA-1の時代的に採用されて居なかったにも関わらず、敢えてこのディテールをつけている品を見かけることがあります。

ここの辺りも注意してみるとおもしろいと思います。

ストームフラップ。 f:id:dellp:20161223224447j:plain

ジグザグに沿ったステッチに見慣れてくると、この五本縫われた糸がが新鮮に見えてきます。

もともとフラップの先端部分は尖っていたのですが、後の改良でラウンドした形に変化していきました。

こちらの写真は直角とまではいきませんが、比較的尖った形をしています。

f:id:dellp:20161225005615j:plain リバーシブル型

f:id:dellp:20161223225023j:plain ワイヤー型

ジッパーも忘れては行けません。 現在は結構自由に色々なものをつけられている印象ですが、この二つは中々個性が強いので是非見ておいて頂きたく思います。

前述通り主観的ではありますが、あまりリバーシブルに対応したものは現代のオシャレ用の服ではあまり見かけません。

特にオリジナルのリバーシブル仕様は今のような1つの持ち手が裏側に回る仕様ではなく、裏表に二つ採用した今の感性で語ると少し変わった形でしたので、古着意外でそもそもお目にかかる事自体が珍しいかもしれません。

しかしレスキューオレンジが採用される以前についていたワイヤー型はたまに見かけます。

裏地の色を変えているのにあえてこちら を採用していることも多く、面白い所です。

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アーミーエアフォースのマーク 今は各ブランドのエンブレムやオリジナルのマークをつけている事が多いですが、ミニマルなデザインに改良されることの多い現在は、そもそも採用されてない事の方が多いかと思います。

まとめ

取り合えず要点になりそうな所をまとめて見ました。

オリジナルと現代の服を折り合わせ見て頂き何がどう変わっていっているのかを分かって頂けると幸いです。

もしも今まで知らなかった知識があったのであれば、今までとは違う視点で服を見て頂くことが出来るのではないでしょうか。

今回の内容はディテールや現代の品との比較が主軸で、歴史やその当時の背景などについてはあまり触れていないので、古着が好きな人からすると物足りないかもしれません。

なにぶん私は古着は好きですが、古着屋の人間ではなく、当時の文献や資料を手元に持ち合わせている訳ではないのでより深い所への追求は中々難しいというのが正直な実状です。

歴史については古着屋のブログなどを見ていただけるとより深く知ることが出来ると思います。

これを機に是非是非調べてみてください。

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